IPSJ (社)情報処理学会 ソフトウェア工学研究会
パターンワーキンググループ


* ホーム

* 設立趣旨

* タスク活動
実践タスク
研究タスク
学際タスク

* 公開リポジトリ

* 活動計画

* 関連イベント

* 告知登録

* リンク

* 参加者用資料

第3回 ソフトウェアパターン勉強会

[ 勉強会のページに戻る ]

第3回 勉強会は終了しました。 ご参加、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

第3回 勉強会 開催報告

日時: 2004 年 2 月 13 日(金) 19:00 - 21:00
会場: 日本アイ・ビー・エム(株)箱崎事業所 1階 AVルーム(ロビー・フロア奥)
主催: 情報処理学会ソフトウェア工学研究会パターンワーキンググループ
参加者: 約 45 名

プログラム コーディネータ: 佃 軍治 (日立製作所)
2月13日(金)
WGの活動報告: 「ウィンターワークショップ・イン・石垣島の報告」 (資料 PDF)
発表者:鷲崎 弘宜(早稲田大学)

  2004年1月29-31日に開催された ウィンターワークショップ・イン・石垣島 においてソフトウェアパターンセッションを設置し、ソフトウェアにおけるパターンランゲージのあり方について実務と研究の両観点から活発な議論を行いました。その模様と、議論の成果である「パターン宣言」を報告します。


Q&A

Q1. パターンランゲージによる非機能要件の獲得とは具体的には?
A1. 非機能要件そのものを、顧客が発言・記述することは難しい。 そこで、開発側はあらかじめ、非機能要件を満たすような解決を 与えるパターンランゲージを用意しておく。顧客は、パターンを選ぶ。

Q2. パターンと開発方法論の統合とは具体的には?
A2. 大学において、RUP に登場するロールと組織パターンに登場するロールの共通性に基づいて、RUP の中で組織パターンを説明する取り組みがある。



建築とソフトウェア: 「建築とソフトウェアの関係についてのより直接的な議論」
細谷 竜一 (東芝ソリューション)

  建築のパタン・ランゲージがソフトウェアに応用できると言われはじめて早十六年余り。しかし具体的に建築の問題がソフトウェアの問題とどう関係しているのかを説明した人が周囲にいるでしょうか。そこでここでは、中埜博氏著「パタン・ランゲージによる住まいづくり」(井上書院)を読み合わせながら、パタン・ランゲージが建築問題をどう捉えているかを垣間見、そしてそれをソフトウェア問題にどう置き換えうるかをその場で議論してみたいと思います。

※読み合わせに使う書籍のコピーは配布しません。当日参照箇所は書画カメラで映しながら進めます。


所感 スライドを使ったプレゼンテーションは慣れていますが、大勢の前で本を読み上げるのははじめての経験でした。書画カメラで写した本は、ちょっと細かすぎてよく見えなかったようです。書画カメラをズームすればよかったのですが、緊張のためそんなことすら思いつきませんでした。参加者のみなさまにおかれましては、それぞれに何かしら喚起するところあったことを願うばかりです。パタン・ランゲージを軸とした建築とソフトウェアの比較に興味をお持ちの方は、ぜひ中埜さんの「パタン・ランゲージによる住まいづくり」をお読みいただいて、ご意見などをお寄せいただければ幸いです。

Q&A

Q1. (pp38-39)ビルの屋上に露天風呂を作る例があるが、パタン・ランゲージを使ってどのように「ビルの屋上に露天風呂を作ろう」ということが決まるのか?
A1. ここの例に出ているパタン・ランゲージには家の全体的な配置を決めるより大きなスケールのパタンは含まれておらず、途中部分を抜き出しているから、具体的になぜ屋上に作ることになるのかはわからない。ただ、屋上に露天風呂をという設計がとっぴに思えたとしたら、パタン・ランゲージとはそういう「funky」な設計も平気で出てくるものだということを覚えておいたほうがいい。これはパタン・ランゲージの弱点と捉えられていると私は理解している。つまり、パタン・ランゲージのプロセスの結果出てきた家を全体としてみたときの第一印象として、「へんな家だな」と思うこともあるのではないか。全体としての調和をいかに確保するのかはAlexanderの最新の著書「Nature of Order」の中で取り扱われているらしい(本がないので未確認)。

あとがき1 私が理解する限り、Alexanderの253のパタンの中には露天風呂を作るパタンは含まれていません。洗面所、風呂、トイレの配置については、BATHING ROOM (144)パタンでは、全部一体化してベッドルームと客間などの中間においてそれぞれから入り口をつくるといいとしていますので、あきらかに露天風呂のパタンとしては使えません。ビルを建てようとしているのなら、露天風呂の配置は明らかに屋上しかないでしょう。中埜さんの本p38にある「露天風呂のパタン・ランゲージ」は追加パタンとして考えるといいでしょう。ただ、BATHING ROOM (144)の最後には、「風呂場を庭に対してオープンにしたいのなら、庭をGARDEN WALL (173)で囲う」というようなことが書かれています。また、屋上を生かそうというパタンとしては、ROOF GARDEN (118)がありますから、露天風呂はその下位パタンとしてくるのではないでしょうか。

あとがき2 以前ある著名な料理人の作られたお菓子をおすそわけでもらったことがあります。その方は日本料理を作りますが、フランスでも修行されたそうです。そのお菓子を食べた瞬間、その和菓子の材料と欧風の香り付けに、まず戸惑いました。「これは和菓子なのかそれとも洋菓子なのか、どっちだと思って味わえばいいのだろう・・・。」つまり、人は何かに接するとき、まず何らかの「様式」に当てはめることで、安心して受け入れられるのではないでしょうか。パタン・ランゲージに弱点があるとすれば、これと同じことが言えるのではないでしょうか。写真で見る限りですが、Alexanderの建築物は、見た瞬間どこの国のなんと言う様式のものか理解しにくいように思います。ちなみに、そのお菓子は二度目にいただいたときは、既に心の準備ができていて、おいしくいただけました。Alexander建築も、彼流の様式があるのであればそのうち見慣れるでしょうが、しかしAlexanderの建築がfunkyだといわれるのは、彼が「様式化(つまりAlexandrian architecture)」を指向していないからかもしれません。



パターン一般: 「UIパターン言語の試行」 (資料 PDF)
河合 昭男(オブジェクトデザイン研究所)

  システム開発の失敗要因は実装技術的要因よりも要件定義にまつわる要因が大きい.特に定量化の困難な非機能要求は表現があいまいになり要求項目から落とされやすい。パターン言語は人間が快適に生活できるための建築物の「無名の質(QWAN)」を実現する技法として提唱された。ユーザビリティなどの非機能要求はシステムを取り巻く人々が快適に利用できるためのQWAN的要因でありパターン言語のひとつの適用分野であろう。今回ユーザビリティを取り上げ「使い易さ」をパターンランゲージで表現する方法を試行した。今後継続テーマとして紹介したい。


所感 色々ヒントをいただきありがとうございます。パターンランゲージ適用のテーマとしてユーザビリティはおもしろそうです。とりあえず「WebのUIデザイン」を課題としてWGサブタスクを始めたい。ご協力よろしくお願いします。

Q&A

Q1. 組込系では非機能要求をチェックリストで示すので要求項目から落ちることはないのでは?
A1. チェックリストの議論は石垣島でもあった。それで拾えるものと拾えないものがある。住宅建設でも同じでないだろうか。注文住宅を建てるとき依頼主の要望を聞くためのチェックリストは多分あるだろう。それで依頼主の要望が十分伝わらないから中埜さんの「パターンランゲージによる住まいづくり」の存在意義がある。

Q2. JISの非機能要求項目との比較を検討するとよいのではないか。
A2. 要求工学でも非機能要求の項目について議論されているので調べて見たい。

Q3. 「操作憲法」と「まちづくりの新しい理論」との比較は?
A3. 後者はプロセスを扱っているが前者は製品の品質、特にユーザビリティというQWANは何かに焦点がある。Alexanderの書籍は輪読会でも勉強したい。

Q4. ユーザビリティの問題はシナリオベースで考える方法があるが。
A4. 目的達成のための一連の操作をユースケースと考えればひとつの基本フローに対し複数の代替フローがあってよい。初心者の操作が基本フローならエキスパートの操作として何通りかの代替フローが必要。



以前の参加案内

ソフトウェアパターンについて、一緒に学んでいきませんか? IPSJ/SIGSE パターンワーキンググループ第3回勉強会を2月13日(金)に以下の要綱で開催することになりましたので、 ご案内させていただきます。第3回勉強会では、IPSJ/SIGSE主催の ウインターワークショップ・イン・石垣島 のソフトウェアパターンセッションの討論内容の報告と、それに関する議論を行い、パターンに関する理解を深めたいと考えています。

日時: 2004 年 2 月 13 日(金) 19:00 - 20:50
会場: 日本アイ・ビー・エム(株)箱崎事業所 1階 AVルーム(ロビー・フロア奥)
主催: 情報処理学会ソフトウェア工学研究会パターンワーキンググループ
参加費: 無料
参加方法: 事前の申し込みは不要です。 19:00 までに直接、会場 にお越しください。
注意事項: 当日は資料を配布しません。公開可能な発表スライドはWeb上で事前に公開いたしますので、資料の必要な方は各自で印刷し持参して下さい。
照会先: patterns-wg-seminar@fuka.info.waseda.ac.jp