IPSJ (社)情報処理学会 ソフトウェア工学研究会
パターンワーキンググループ


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ソフトウェア再利用とパターンに関する特別セミナー

ソフトウェア再利用とパターンに関する特別セミナーは終了しました。
ご参加、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

開催報告

日時: 2004 年 4 月 20 日(火) 19:00 - 21:30
会場: 日本アイ・ビー・エム(株)箱崎事業所 1階 AVルーム(ロビー・フロア奥)
主催: 情報処理学会ソフトウェア工学研究会パターンワーキンググループ
参加者: 約 60 名

Grant Larsen 氏と Gregor Hohpe 氏をお招きしてソフトウェア再利用とソフトウェアパターンに関するセミナーを開催いたしました。 セミナーでは、再利用可能アセット仕様とソフトウェアパターンの関連や、非同期メッセージアーキテクチャ上での Pipe-and-Filter 構造を応用したエンタープライズ統合パターンについて、基調講演と活発な議論が行なわれました。 このページでは、 各講演の資料と、 質疑を中心とした議論の様子を掲載致します。 当日の模様は、こちらをご参照下さい。

Grant Larsen Gregor Hohpe Attendees

プログラム※ コーディネータ:
  羽生田 栄一 (豆蔵)、榊原 彰 (日本アイ・ビー・エム)、
  鷲崎 弘宜 (国立情報学研究所)
4月20日(火)
開会の挨拶
基調講演 1:
19:00-20:10
(質疑を含む)

Grant Larsen
Pattern Solutions: Patterns with RAS [資料 PDF]
Grant Larsen (IBM Rational)

再利用可能アセット仕様(Reusable Asset Specification: RAS)の概要と基本構造、ツールによる実装イメージや OMG (オブジェクトマネージメントグループ) に提出している標準化案の状況などを紹介します。また、RAS におけるソフトウェアパターンの扱いについても言及します。RAS は、様々な再利用可能ソフトウェア資産(例えばコンポーネント、フレームワーク、パターン)の仕様を記述し運用するための枠組みです。IBM Rational は、RAS を活用するためのソフトウェア開発プロセスとしてアセットベース開発 を提案しています。 RAS は現在 OMG に提出され、標準としての審査を受けている段階です。RAS の OMG への提案に関しては、数多くの企業が賛同しています。

Grant Larsen 氏は IBM Rational における再利用戦略のディレクターです。彼はソフトウェア開発アクティビティを促進するために、再利用可能アセット仕様を策定し、その技術を実践に結びつける活動を行っています。彼は、UML の仕様策定に初期段階から参画しました。
Q&A

Q1.RAS はどのように使用されて、成長していきますか?
A1. まずは、枠組み・ツール環境を整えました。これから、各社に使用していただきたいと期待しています。

Q2. コミュニティで、RAS が使われて成長していく可能性はありますか?
A2. 今後、重要と考えています。

Q3. RAS に基づくオープンなリポジトリの構築と公開の計画はありますか?
A3. こちら側で用意したアセットファイル (.ras) を検索して取得可能なリポジトリを developerWorks で公開しています。ただし、誰でもファイルをアップロード出来るわけではありません。こういったリポジトリを真似することで、 各組織固有のリポジトリを作ることが出来ます。

Q4. MDA はパラダイムシフトをもたらすでしょうか? それにはどれぐらい時間がかかるでしょうか?
A4. 今はまだ、市場においてモデリングの占める割合が小さいです。 モデリングについて価値があるものと認められるようになれば、、MDA が普及してくると思われます。それが何時になるかはまだ分かりません。

Q5. RAS を活用するにあたって、MDA は必須ですか?
A5. MDA は RAS にとって必須ではありません。ただし、MDA の各段階での資産をパッケージングするのに RAS を使えます。
(休憩 20:10-20:20)
基調講演 2:
20:20-21:20
(質疑を含む)

Gregor Hohpe
Enterprise Integration Patterns [資料 PDF]
Gregor Hohpe (ThoughtWorks, Inc.)

アプリケーションシステムやデータを統合してエンタープライズシステムを構築するためのノウハウであるエンタープライズ統合パターンを紹介します。エンタープライズ統合パターンは、数多くの技術を駆使する必要のある大規模なシステム統合の問題を整理し、非同期メッセージアーキテクチャの長所を生かした解決策を提供します。標準的な数多くのシステム統合化ツール(例えば IBM WebSphere MQ, TIBCO, Vitria, SeeBeyond, Java Message Service, Microsoft Messaging, Microsoft Message Queuing, Web サービス)で、このパターンを利用できます。

Gregor Hohpe 氏は、ThoughtWorks, Inc. においてエンタープライズ統合の実践を主導しています。ThoughtWorks は、アプリケーションの開発とサービス統合を提供する多国籍企業です。彼は、顧客のための大規模なエンタープライズシステムの統合の実践経験に基づいて、エンタープライズ統合や Web サービス、サービス指向アーキテクチャについて数々の論文と記事を発表しています。 彼は、OOPSLAやJavaOneといった数多くの世界中の技術会議で講演を行なっています。彼は、Webサイト http://www.eaipatterns.com/ を運営しています。著書に、Martin Fowler 署名シリーズの1つである『Enterprise Integration Patterns』 (Addison-Wesley, 2003) 、および、『Enterprise Solution Patterns using Microsoft .NET』 (MS Press, 2003) があります。
Q&A

Q1. このパターンは、どの段階・レベルで利用できますか?
A1. これらのパターンを、プロトコルやトランスポートレイヤで見つけてきました。今後、上のレイヤに上がっていきたいです。

Q2. パターンの適用例が、TIBCO を用いた状況ですか?
A2. TIBCO は 1 つの例です。より下層レイヤでも幾つか問題があり、今後、解決していきたいと思います。

Q3.. 異常系の扱い、つまり、エラーが起きたときのための処理設計として、 Tight Coupling (密結合) なアプローチは必要ではありませんか?
A3. たしかに、異常系は、Coupling を高める傾向にあります。 Loose Coupling な対応として、異常が起きたときにメッセージを再度投げる方法では、1度目と2度目で送られる内容が異なる場合に問題となる可能性があります。 対策として、コーディネータを使うアプローチが考えられます。

Q4. メッセージ用の特定のミドルウェアに依存してしまうのでないですか? 技術非依存を実現するには、 メッセージアーキテクチャの標準化が必要ではありませんか?
A4. Web サービス系の技術の標準化と整理に期待しています。Web サービスに関して、今は複数の標準技術が存在しているので、それらが整理されることを期待しています。

Q5. このパターンがもたらす生産性などのメリットを説明する情報はありますか?
A5. このパターンは、独自の記法 (アイコンなど) に基づいて、対話を促進するメリットを持っています。記法について、Visio 用のステンシルを用意しています。将来的には、生産性といった情報を集めたいと思います。

Q6. 最適なパターンをどのようにして撰択すればよいでしょうか?
A6. 各パターンは、記述されている「フォース」によって適用可能性に関するトレードオフを表しています。 パターンを撰択するための決定木を書籍の中で用意していますが、あるものの、特定の状況に特化したものとなっています。

Q7. 各パターンの、収集と洗練の過程はどのようなものでしたか?
A7. 2000 年から TIBCO を使ってエンタープライズ統合を行なっていました。 2002 年に、得られたノウハウの文書化としてパターンが良い方法だと思いました。そして、パターン化を開始し、リポジトリでパターンを集めだしました。また、Web や メールなどで、コミュニティからの貢献があります。 何がパターンで、何がパターンでないかの判断は困難です。 我々は、その判断について非常にルーズな立場をとっています。 使えそうなら書いてリポジトリに入れてみて、Web 上でコミュニティからのフィードバックを得ます。これが、パターン収集のプロセスです。

Q8. 各パターンは、実装例に依存していますか?
A8. 各パターンは、例としての実装を持ちます。 しかし、各パターンは特定の実装技術に依存していません。

Q9. UML を使用している環境では、 このパターンを使った後、UML に変換することになりますか? 変換可能ですか?
A9. 例えば、Aggregator パターンでは説明にクラス図・シーケンス図を使っています。これは、Aggregator パターンがオブジェクト指向設計に基づくためです。 各パターンは、UML とうまく組み合わせることができると思います。コードにも落とせるでしょう。

Q10. UML やコードへの変換を行った後に、変更があったら、どこまで戻る必要がありますか?
A10. あくまでも手作業で行なうことになります。 MDA のような自動化ということではありません。

Q11. UML Profile for EAI についてどのようにお考えですか?
A11. Web 上では、関連情報としてリンクを用意しています。 ただし、深くは扱っていません。 その理由は、 (1) UML Profile for EAI の進捗状況が幾らか不明なこと、 (2) UML Profile がトップダウンのアプローチであるのに対して、我々のパターンは、対話を重視しています。
閉会の挨拶

以前の案内

情報処理学会ソフトウェア工学研究会パターンワーキンググループは、 Grant Larsen 氏と Gregor Hohpe 氏をお招きしてソフトウェア再利用とソフトウェアパターンに関するセミナーを開催いたします。 セミナーでは、Larsen 氏に再利用可能アセット仕様について講演していただきます。 また、Hohpe 氏にエンタープライズ統合パターンについて講演していただきます。 両講演を通じて、 エンタープライズ統合のあり方とソフトウェアパターン、および ソフトウェア再利用全般にわたるトピックスをお届けします。

講演は英語で行なわれます。講演時の同時通訳はありませんが、 講演後の質疑は日本語/英語のどちらでも行なっていただけます。 事前申込み不要,参加無料です。 是非皆さんの積極的なご参加をお願いします。 なお、連絡事項や配布資料等がある場合もありますので、 パターンWGのホームページを適宜アクセスされることをお勧めします。

日時: 2004 年 4 月 20 日(火) 19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場: 日本アイ・ビー・エム(株)箱崎事業所 1階 AVルーム(ロビー・フロア奥)
主催: 情報処理学会ソフトウェア工学研究会パターンワーキンググループ
参加費: 無料
参加方法: 事前の申し込みは不要です。直接、会場にお越しください。
備考: ※当日のスケジュールは、変更される可能性があります。
照会先: patterns-wg-seminar@fuka.info.waseda.ac.jp