IPSJ (社)情報処理学会 ソフトウェア工学研究会
パターンワーキンググループ


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第141回 ソフトウェア工学研究会
パターンワーキンググループ設立記念セミナー

パターンワーキンググループ設立記念セミナーは終了しました。
ご参加、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

開催報告

日時: 2003 年 5 月 23 日(金) 13:00 - 18:10
会場: 早稲田大学大久保キャンパス 55号館 N棟 1階大会議室
主催: 情報処理学会ソフトウェア工学研究会
参加者: 約 200 名

主査の羽生田氏によるワーキンググループの紹介に続いて、 建築におけるパタン・ランゲージに関する基調講演、 ソフトウェアパターンに関する 5 件の講演が行われ、 質疑の時間や休憩時間等において講演者・参加者間で 活発な議論が交わされました。 また、体験形式で MVC ダンスが披露されました。 当日は、 会場定員の約 200 名の方々が参加されて、 準備した椅子がほぼ満席になるほどの盛況振りでした。

プレス紹介記事など (随時、追加いたします)

講演資料

資料集: 情報処理学会研究報告「ソフトウェア工学」, Vol.2003, No.55 (SE-141)

以下の各講演資料は、当日にお配りした資料集に掲載されたものとは内容が多少異なります。
御了承下さい。
基調講演: パタン・ランゲージに何が可能か, [研究報告PDF]
中埜 博 (まちづくりカンパニー・シープネットワーク)
ソフトウェアパターン入門, [講演資料PDF]
井上 健 (横河電機)
MVCダンス: 身体の型によるソフトウェアパターン入門, [講演資料PDF]
羽生田 栄一 (豆蔵)
形から入らないパターン活動, [講演資料PDF] , [研究報告PDF]
細谷 竜一 (東芝)
ソフトウェアパターンの現状と適用経験, [講演資料PDF]
佐枝 三郎 (三井情報開発)
ソフトウェアパターン研究の現在と未来, [講演資料PDF] , [研究報告PDF]
鷲崎 弘宜 (早稲田大学), 深澤 良彰 (早稲田大学)
デザインパターンとその適用過程のモデル化, [講演資料PDF]
小林 隆志 (東京工業大学)

講演レポート

基調講演: パタン・ランゲージに何が可能か
中埜 博 (まちづくりカンパニー・シープネットワーク)

ソフトウェアパターン入門
井上 健 (横河電機)

MVCダンス: 身体の型によるソフトウェアパターン入門
羽生田 栄一 (豆蔵)

形から入らないパターン活動
細谷 竜一 (東芝)

[講演者によるレポート]
中埜氏の基調講演の内容は、今まで「形から入らないパターン活動」の講演者の心の中に描いていた「パタン・ランゲージ」のイメージを払拭するインパクトがあった。そこで語られていることは、ほとんどそのままソフトウェア開発における問題に置き換えて理解することもできる。その中には、今回講演者が感じてきて、訴えようとしていたことの多くも含まれていたように思った。ここで講演者がChristopher AlexanderのTimeless Way of Buildingを通読したことがないことを告白しよう。それでもなお、こうした驚くべき符号が建築とソフトウェアそれぞれの実践家の主張の間に見られることは、何かを物語っている・・・人間と自然の行いに関する真実についての何かだ。

講演は、パターンを成長する生き物として捉え、育てることの意義を訴えた。講演者はこの行為を「パターンライフサイクルマネジメント」と呼ぶ。そこでは、パターンを組織内で共有される段階(フェーズI)と、組織を飛び出て公に共有され成長し、また新たなパターンを生み出す段階(フェーズII)に分けて考えることとした。有名なパターンはフェーズIIのパターンだが、全てのパターンはフェーズIの時代を過ごしてからフェーズIIに到達する。そこで、講演はフェーズIの姿の一面、すなわち初めてパターンとして組織内で発見されて、共有可能な形になる瞬間を聴講者の前で描こうと試みる。この瞬間を捉えるためには、なにもすばらしいパターンを書ける能力は必要ない;必要なのは、「あ、これパターンになるね」と思う注意力と、それに名前をつける能力だけだ。こうして、知識はパターンとして組織の中で共有され、成長するプロセスに乗るのである。

組織の活動の中で垣間見られるパターンの萌芽を捉えるためには、何がパターンであり何がパターンでないかについて理解すると効果的だろう。パターンとは、まさに中埜氏が指摘したとおり、「同じことの繰り返しだけれど、しかし他のどれとも違う」ものを生み出す力だ。見方を変えると、パターンとは、機械的な行為でもないが、かといって無から突如として全てを発明する行為でもない。その中間にある行為であり、そこには共有と創造が混在しているのではないだろうか。だから、単に同じことを無批判に繰り返そうとするものパターンではない。また、パターンはいやおうなしに従うものでもなく、作業者の主体的な判断によって選択されるものであるはずだ。講演者は、テレビドラマの水戸黄門や、工業界でいうところの規約、標準といった「概念」と比較しながらこれらを論じた。水戸黄門については、「ワンパターンだが、我々が取り扱う『パターン』とは違う」と講演スライドでは主張した。しかしながら、「パタン・ランゲージは物語だ」という中埜氏の言葉を受け、文字通り世代をまたがって好まれる水戸黄門の中には切り捨てるには惜しい普遍性がまだ隠れているように感じられた。これは今後の研究課題として残す。

パターンには良い面と、その裏返しとしての悪い面がある。例えば、パターンを共有しているもの同士ではコミュニケーションを促進するが、パターンを共有していない者には疎外感を与える。講演は、パターンの上でひしめく影響力を、良い面に傾けるためのマネジメントが必要だと訴える。

講演の締めくくりに、パターンワーキンググループ実践タスクとして今後取り組むべき課題を挙げ、これをパターンライフサイクルマネジメント実現へ向けた講演者の宣言とした。

[質疑応答]
Q. プログラミング言語といった素養を持たない新人がいる中で、研修などもせずいきなりパターンの考え方を使ってプロジェクトをまわすというのは現実的ではないのでは?

A. 当然、基礎は持っていなくてはいけない。基礎作りはやらなくてはいけない。また、パターンといっても、プロジェクトの中で次々発生する、問題の解決方法を実例ベースで示し、共有する方法として用いることを考えており、パターンの専門部隊でなくても十分に回せる。

ソフトウェアパターンの現状と適用経験
佐枝 三郎 (三井情報開発)

ソフトウェアパターン研究の現在と未来
鷲崎 弘宜 (早稲田大学), 深澤 良彰 (早稲田大学)

デザインパターンとその適用過程のモデル化
小林 隆志 (東京工業大学)

アンケート

アンケート集計結果: (回答数: 98, アンケート用紙)

  1. あなたのプロフィールについて簡単に教えて下さい。

  2. 各発表の感想をお聞かせ下さい。

  3. あなたの身の回りではパターンをどのように活用していますか。 どのように利用したいですか。

  4. ワーキンググループに期待する活動についてご意見をお聞かせ下さい。

以前の参加案内

[テキスト版] [PDF版]

情報化社会の急速な発展に伴い, ソフトウェアパターンを学び,利用し,発展させることの重要性が増してきています. ソフトウェア工学研究会では,ソフトウェアパターンを原点から見直し,その普及につとめるためにパターンワーキンググループを設立しました. ワーキンググループでは,個人・組織・ソフトウェアコミュニティの各レベルでの新たなナレッジの蓄積・共有の枠組みの確立への貢献を目指すとともに, ソフトウェア工学の観点からソフトウェアパターンを見直し研究テーマとしても確立することを目指します. また,建築や都市計画といった分野との学際的な交流も活発に行っていく予定です.

設立を記念して,建築分野でのパターン実践者として著名な中埜博氏の基調講演をはじめ,ソフトウェアパターンの入門,現状,活用,研究に関連する講演を予定しています.多数の方々の参加をお待ちしています.

希望される方には、セミナー当日に講演資料集を有償 ( 500円 ) にてお渡しいたします。 ソフトウェア工学研究会会員の方については、資料集代は無料となります。

waseda_sci

日時: 2003 年 5 月 23 日(金) 13:00 - 17:40
会場: 早稲田大学大久保キャンパス 55号館 N棟 1階大会議室
   [ JR,西武新宿線,地下鉄東西線: 高田馬場駅下車徒歩10分 ]
   [ JR: 新大久保駅下車徒歩10分]

主催: 情報処理学会ソフトウェア工学研究会
参加費: 無料 (どなたでも参加できます)
参加方法: 参加申込は不要です。会場へ直接お越し下さい。
講演資料集代: 500円 (資料を購入されなくともご参加いただけます)
照会先: patterns-wg-seminar@fuka.info.waseda.ac.jp

プログラム
12:30 - 13:00 - 開場 -
13:00 - 13:05開会のご挨拶 青山 幹雄 (南山大学)
13:05 - 13:15 パターンワーキンググループのご紹介 羽生田 栄一 (豆蔵)
13:15 - 14:45 基調講演: パタン・ランゲージに何が可能か 中埜 博 (まちづくりカンパニー・シープネットワーク)
(講演者紹介) 中埜博氏は、UCバークレー校建築学科大学院卒、環境構造センターにて C.アレクサンダー氏に師事。C.アレクサンダーとともに盈進学園東野高校プロジェ クトに参加。現在、(株)まちづくりカンパニー・シープネットワークにて、パターンランゲージを用いたコミュニティー・デザインを追求。
著書:「パタン・ランゲ−ジによる住まいづくり」井上書院
訳書:C.アレクサンダー「パタンランゲージによる住宅の建設 」鹿島出版会

(講演概要) ソフトウェアだけでなく建築や街づくりにおいても、環境や身の回りのものを自分たちでデザインし自分たちで作り出したいという欲求は自然なものだ。しかし、それには大変な困難を伴う。素人と専門家のコラボレーションを成立させるコーディネータが必要だ。そのとき、共通言語としてのパターンランゲージの可能性が浮かび上がってくる。講演では、スライドを多用して、実際のユーザー参加と合意形成のプロセスをお見せするとともに、ソフトウェアのエンジニアの皆さんとも要求やデザインの形成プロセスに関して議論していきたい。
14:45 - 15:00- 休憩 -
15:00 - 15:40 ソフトウェアパターン入門 井上 健 (横河電機), 羽生田 栄一 (豆蔵)
  ソフトウェアパターンとパターンランゲージの概要を解説し、パターンコミュニティの発展の経緯をあわせて紹介する。 また、身体性に基づくパターン教育の試みとして MVC ダンスを披露する。
15:40 - 16:20 形から入らないパターン活動細谷 竜一 (東芝)
  組織活動から生まれる知識・知恵をパターンとして共有する方法を探る
16:20 - 16:50 ソフトウェアパターンの現状と適用経験佐枝 三郎 (三井情報開発)
  ソフトウェアパターンの利用が進まない現状を分析し, その課題を乗り越えてパターンを組織に浸透させるにはどうすればよいかを探る
16:50 - 17:30 ソフトウェアパターン研究の現在と未来鷲崎 弘宜, 深澤 良彰 (早稲田大学)
  ソフトウェアパターンに関する研究成果として提案される様々な支援手法を紹介し, その活用方法と, 今後のソフトウェアパターン研究の可能性を探る
17:30 - 17:40 閉会のご挨拶羽生田 栄一 (豆蔵)