パターン42:成功を補償する   

 

問題:

成功のために適切な動機を与える。

コンテキスト:

ペイオフの確率が高い市場で、厳しいスケジュールに直面している開発者グループで、

影響する事柄:

スケジュールによる動機付けは自己実現の傾向を持ち、長期的なスケジュールは、与えられた仕事にうまく適用できそうであるとの印象を与える。

スケジュールは動機付けには役に立たない。

利他主義とエゴのないチームは奇妙で、ビクトリア時代の概念である。

企業は、頻繁にプロジェクトを立ち上げたり終了させたりするが、それらのプロジェクトはお互いに異なった方法で管理されるべきである。

特別な報奨は、それをもらう人には動機付けとなるが、他の仲間に欲求不満をもたらすかもしれない。

解決策:

成功裏にプロジェクトを立ち上げたり終了させたりしたことに貢献した個々人のために、気前のいい報奨を用意しなさい。チーム全体(公的な単位)がそれなりの報奨を受けるべきである。さもなければ、自分の給与と仲間の給与と比較することによって自分の価値を判断してしまい、動機を失ってしまうかもしれないからである。

“特別な”人は、チームのパフォーマンスにはあまり関係なく、例外的な報奨をもらってもよい。

祝福は、特別に効果がある褒美である[Zuckerman and Hatala]。

結果として生じるコンテキスト:

組織は、スケジュールに対してに焦点を当てることが少なくなり(ただし、スケジュールの期間を決めるのパターンを参照)、顧客満足度やシステムの成功に焦点を当てるようになる。そのような高い報奨は、個々人がプロジェクトの潜在的なリスクを重要視するように導き、個々人を能力以上に成長させるかもしれない。

論理的根拠:

このパターンは経験的である。ソフトウエアプロジェクトの驚くほどの成功と非常にもうかる報奨制度の間には、強い相関がある。ニューヨークで1994年の5月6日に開催されたthe Risk Derivatives Conferenceで発表されたQPWのケースがそのような例である(Pay and Organization Development, by Edward E. Lawler, Addison-Wesley, 1981を参照)。報奨メカニズムの場面については文献で立証されている[Kilmann]。

ある個人に対しての高い報奨は、彼の仲間の動機をなくすかもしれないが、チームベースでの報奨は、この問題の個人という面を取り除くのに役立ち、単に死後の慰め役であるということに加えて、動機付け要因としてのメカニズムを確立する。

DeBrulerは、このパターンについてのPloPレビューで、ほとんどの現代組織の文化は1800年代の産業活動に由来しており、そのころただ一つ有効に働いていた軍隊の管理を参考にして形成されたものであると、コメントしている。彼は、ほとんどのアメリカの報奨制度は解決を促すというよりもむしろ問題を取り除くという方向に向けられていると、コメントしている。実際のよいモデルとして、医者や法律家のグループがあげられる。そこでは、雇われている人の方がマネージャーよりも高い給与をもらっている。